生物多様性の保全

Environment

基本的な考え方・方針など

当社は、生物多様性の重要性・サプライチェーンにおける生物多様性への影響を認識し、生物多様性の保全に努めています。分譲マンション「シエリア」では、独自の生物多様性保全基準とデザイン指針に基づき、生物多様性の保全に寄与するとともに、お客さまや地域の皆さまにとっても魅力的なランドスケープを実現する開発を推進しています。また、分譲戸建て住宅「シエリアガーデン」では、原則として緑地率20%以上を確保するとともに、地域の植生を考慮した植栽を採用しています。

目標と実績

当社では、ESG取組み17項目(2025年度)において抽出した「生物多様性の保全に向けた取組みの推進」に関する目標として以下を掲げています。

  • 生物多様性保全方針「シエリアLink Greensプロジェクト」をすべてのシエリアに適用する
  • 開発の規模や周辺環境に応じて、生態系保全・創出を企図したビオトープや植栽などを設ける
  • 一定規模のプロジェクトにおいては、ABINC認証など生物多様性に関する認証の取得を検討する
  • 開発時に整備した樹木や植栽には樹名板を設置する
  • 植樹など森林・生態系保全活動へ取り組む
  1. ABINC認証:一般社団法人いきもの共生事業推進協議会(ABINC)が自然とひととの共生を企業活動において推進することを目的にオフィスビルや集合住宅などの土地利用における生物多様性の取り組みを認証する制度

シエリアLink Greensプロジェクト

当社は2024年9月、分譲マンション「シエリア」の生物多様性保全方針「シエリアLink Greensプロジェクト」を策定しました。「シエリアLink Greensプロジェクト」は、シエリアのランドスケープを「いのちを育む豊かな植生の創出、周辺緑地などとのエコロジカルネットワーク※1の形成」という視点から捉え、独自の生物多様性保全基準とデザイン指針を定めるものであり、2024年度以降に着工する全てのシエリアに適用※2します。具体的には、侵略植物の不採用や在来樹種50%以上の採用、周辺緑地の生物が好む植物の選定や、人の視野内に占める緑の量の割合を考慮したデザインなど、生物多様性の保全に寄与するとともに、お客さまや地域の皆さまにとっても魅力的なランドスケープを実現できるような基準となるよう意識して策定しました。

  1. ※1エコロジカルネットワーク:野生生物が生息・生育する様々な空間(森林、農地、都市内緑地、水辺、河川など)が繋がる生態系ネットワーク
  2. ※2取組みの対象物件は、他社との共同事業の物件など一部の物件は対象外となる場合があります。
図:シエリアLink Greensプロジェクトのロゴ
生物多様性保全のイメージ図
図:生物多様性保全のイメージ図

生物多様性認証の取得

当社は生物多様性認証の積極的な取得を推進しています。緑地面積を一定以上確保可能な物件については、ABINC認証など生物多様性に関する認証取得を検討することとしています。直近では、シエリアLink Greensプロジェクトの考え方に基づき計画したシエリアシティ東戸塚において2024年7月に取得しました。

  1. ABINC認証:一般社団法人いきもの共生事業推進協議会(ABINC)が自然とひととの共生を企業活動において推進することを目的にオフィスビルや集合住宅などの土地利用における生物多様性の取り組みを認証する制度
写真:シエリアシティ横浜東戸塚(神奈川県横浜市)
シエリアシティ横浜東戸塚(神奈川県横浜市)
図:いきもの共生事業推進協議会(ABINC)認証のロゴ

生物多様性のリスク評価・リスク管理

当社は各種関係法令(森林法、公園法、自然環境保全法など)を遵守する中で、生物多様性に関するリスク評価・リスク管理を実施し、生物多様性に配慮した事業を行います。
敷地内および敷地周辺の生態系を調査した上で、生息する生物に配慮した外構・植栽計画を実施しています。

森林・生態系保全活動への取組み

当社は、森林整備事業を通じてゼロカーボンの推進、生態系保全、地域社会への貢献を目指し、「持続可能な未来につながる森づくり」を進めています。

シエリアツリープロジェクト

2024年10月より、当社は分譲マンション「シエリア」または分譲戸建て住宅「シエリアガーデン」のご契約1件につき1本の苗木を植える取組みとして「シエリアツリープロジェクト」を開始しました。この取組みは、森づくりが必要とされている土地に地元植生の苗木を植えることで生態系に配慮した森林再生と地域振興につなげるもので、2025年5月までのご契約分は、認定NPO法人環境リレーションズ研究所が運営する「Present Tree」を通じて、651本の寄付植樹を実施しました。

図:シエリアツリープロジェクトのロゴ

関電不動産開発 くろよんの森

2025年5月、長野県大町市における当社所有地を活用し森林整備を行う「関電不動産開発 くろよんの森」プロジェクトを開始し、地元行政である大町市の立会のもと、北アルプス森林組合および認定NPO法人環境リレーションズ研究所と「森林整備協定」を締結しました。
2025年6月以降のご契約分より、「シエリアツリープロジェクト」の植樹を「関電不動産開発 くろよんの森」で実施しています。

図:関電不動産開発 くろよんの森のロゴ

その他の取組み

環境省「生物多様性のための30by30アライアンス」への参加

2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標「30by30」に賛同し、2025年10月に「30by30アライアンス」に参加しました。
当社は、「シエリアLinkGreenプロジェクト」や「関電不動産開発 くろよんの森」での取組みを通じて、健全な生態系を回復させ、豊かな恵みを取り戻す活動に貢献します。

ロゴ:30by30アライアンスのロゴ

植物・生態への関心や学びの機会提供

住宅事業やオフィスビル事業などで整備した植栽には樹名板を設置することとしており、地域の皆さまや子どもたちの植物・生態への関心や学びの機会の提供を企図して取り組んでいます。

写真:樹名板を設置した開発物件の植栽
樹名板を設置した開発物件の植栽