02 高い省エネルギー性能

Environment

基本的な考え方・方針など

目標と実績

当社では、ESG取組み25項目(2024年度)において抽出した「新規に開発するすべての住宅をZEHに」、「新規に開発するすべてのオフィスビル等をZEBに」、「既存物件の省エネ性能の向上」、および「外部環境認証の取得を積極的に推進」に関する目標として、「関電不動産開発 ゼロカーボンロードマップ」における「02 高い省エネルギー性能」の以下取組みを掲げています。

  • すべての新規物件をZEH・ZEBに
  • 既存物件の省エネルギー化
  • 外部環境認証を取得

当社は、快適かつ高い省エネルギー性能の住まいやビルを開発することで、社会のエネルギー消費量の低減に貢献しています。
具体的には、2023年度以降新規に計画するすべての物件をZEH・ZEB標準仕様にしています。
また、保有している物件においては、2025年度末までに賃貸住宅共用部や主要なオフィスビルの照明をすべてLED化するなど、計画的なリニューアルによる高効率機器への入れ替えを通じたエネルギー消費量の低減を推進します。

取組み事例

新規計画物件のZEH仕様採用率 100%(2023年度)

● シエリアガーデン千里佐竹台(大阪府吹田市)

  • 『ZEH』認証取得(一次エネルギー消費量100%以上削減)
  • BELS最高ランク取得
  • オール電化
  • 太陽光発電設備を設置
写真:シエリアガーデン千里佐竹台(大阪府吹田市)

● シエリア与野中央公園(さいたま市中央区)

  • ZEH-M Oriented 認証取得(一次エネルギー消費量23%削減)
  • BELS最高ランク取得
  • オール電化
  • EV充電設備を設置
写真:シエリア与野中央公園(さいたま市中央区)
新規計画物件のZEB仕様採用率 100%(2023年度)

● KRD-Logistics福岡小郡(福岡県小郡市)

  • Nearly ZEB 認証取得(一次エネルギー消費量77%削減)
  • BELS最高ランク取得
  • オール電化
  • 太陽光発電設備を設置
  • EV充電設備を設置
写真:KRD-Logistics福岡小郡(福岡県小郡市)
エネルギー消費原単位(対2021年度)-4.1%

● 関電ビルディング(大阪市北区)

  • CASBEE-SWO(スマートウェルネスオフィス)認証取得※3
  • 計画的リニューアル
    執務室内照明のLED化約85%完了(2023年度末時点)
    すべてのパッケージエアコンをグリーン購入法適合商品に入替
  • 河川水利用による未利用エネルギーの活用
  • オール電化(河川水熱エネルギーを除く)
  • 太陽光発電設備を設置
  • EV充電設備を設置(2023年度)
写真:関電ビルディング(大阪市北区)
  1. ※1取組みの対象物件は、他社との共同事業の物件など一部の物件は対象外となる場合があります。
  2. ※2省エネ法対象物件の合計であり、2023年度実績は2023年省エネ法改正前の原単位算定にに基づきます。
  3. ※3CASBEE-スマートウェルネスオフィス:建築物の環境評価に加えて、ワーカーが健康で元気に生産性高く働くことができることを多角的評価する認証です。
    評価パターン2(テナントビル+テナント入居組織の取組み)を適用しています。

分譲マンションでのZEH仕様

当社が販売する分譲マンションのシエリアは、外皮の断熱性能を向上させ、高効率設備の導入により一次エネルギー消費量を削減することで、ZEH-M Oriented基準以上の省エネルギー性能を実現しています。
マンション自体の断熱性を高めることで、冷暖房などの消費エネルギーを抑えながら、一年を通じて心地よい住空間を実現しています。

シエリアにおける高効率設備の例※1
Low-E複層ガラス 高効率換気システム 保温浴槽
優れた断熱性能により少ないエネルギーで快適な空間を実現 健やかな空気で暮らしを包む 優れた保温性能でエネルギー使用量を抑える
断熱材 LED照明 節水トイレ
外気温の影響を受けにくく冷暖房の使用量を抑える 長寿命で環境負荷の少ないクリーンな照明 水道使用量を抑える
エコキュート IHクッキングヒーター 人感センサーライト
電力と空気熱でお湯を沸かすことでCO2削除にも貢献する CO2を排出せず環境にやさしい調理機器 消し忘れを防ぎ、必要なときだけONにすることで省エネを実現

オフィスビルでのZEB仕様

当社が開発するオフィスビルでは、外皮の断熱性能を向上させ、高効率設備の導入により一次エネルギー消費量を削減し、また太陽光発電設備による創エネを組み合わせることなどで、ZEB Oriented基準以上の省エネルギー性能を実現しています。※1

ZEB Ready認証取得「関電不動産八重洲ビル」の概要
図:ZEB Ready認証取得「関電不動産八重洲ビル」の概要

堂島関電ビルの大規模リニューアル

築50年を経過する堂島関電ビルにおいて、2023年3月より大規模リニューアルを実施しています(工期:〜2025年4月予定)。主要テナントである積水化学工業と共同で企画検討し、ビルの長寿命化や環境性能の向上に加え、健康性・快適性にも配慮したオフィスビルへの転換を図っています。

写真:堂島関電ビル(大阪市北区)
堂島関電ビル(大阪市北区)

環境面では、既存ストック活用によりライフサイクルCO2を削減、また新築に係る資材や解体に係る廃棄物などを削減することに加え、複層ガラス化などによりエネルギー消費量を低減しています。また、国内既存建物で初めて※4、外壁にフィルム型ペロブスカイト太陽電池(積水化学工業が開発)を採用しています。

図:フィルム型ペロブスカイト太陽電池
フィルム型ペロブスカイト太陽電池

健康性・快適性においては、新しい働き方への対応に加え、能動的に働くことができるオフィス空間を構築し、生産性向上やwell-being に寄与します。また、1階に整備するサブエントランスへのバリアフリー動線の配置や、2階受付へのオールジェンダートイレの整備など、ダイバーシティ&インクルージョンを尊重した計画にしています。

写真:11階食堂 竣工写真
11階食堂 竣工写真
写真:コワーキングスペース 竣工写真
コワーキングスペース 竣工写真

これらの取組みの結果、築50年を超える当ビルは、築30年を超えるテナントビルとして全国初※5、CASBEE-スマートウェルネスオフィスにおける最高位評価(Sランク)を取得※3しました。

写真:CASBEE-スマートウェルネスオフィスのロゴ
  1. ※42023年10月5日付、積水化学工業プレスリリースより
  2. ※5IBECs公表済物件(2023年2月24日時点)を対象

外部環境認証の取得

当社物件の環境性能をお客さまはじめステークホルダーの皆さまに分かりやすく理解していただくために、新規に計画するすべての物件※1で外部環境認証を取得しています。また、保有している物件についても積極的に取得を推進しています。

保有物件における照明のLED化

保有している物件において、2025年度末までに賃貸住宅共用部や主要なオフィスビルの照明をすべて※1LED化すべく、2022年度以降計画的な更新を実施しています。

賃貸住宅共用部
対象年度 2022 2023 2024(計画) 2025(計画)
物件数 13 18 11 14
進捗率 23% 55% 75% 100%
主要オフィスビル
対象年度 2022 2023 2024(計画) 2025(計画)
物件数 2 2 5 10
進捗率 11% 21% 47% 100%

グリーンリースの推進

グリーンリースとは、オーナーとテナントが協働し、不動産の省エネルギーなどの環境負荷の低減や執務環境の改善について、契約や覚書等によって自主的に取り決め、実践することを言います。当社では高い省エネルギー性能を目指し、グリーンリースを積極的に推進します。

解説:国土交通省「グリーンリース・リーフレット」より引用
図:ZEB Ready認証取得「関電不動産八重洲ビル」の概要

関電ビルディングにおける未利用エネルギー活用

当社では、省エネルギー性能を高めるとともに、物件の特性に応じ未利用エネルギーを積極的に活用しています。未利用エネルギーとは、外気温との温度差がある河川や下水、ビルや工場からの冷暖房排熱などの有効に活用できるが利用されていないエネルギーの総称です。
中之島の南北を流れる堂島川と土佐堀川。この中之島という立地の特性を活かし、堂島川から取水し熱交換後に土佐堀川へ排水することで、関電ビルディングだけでなく、大阪中之島美術館をはじめとする中之島地区の他の建物・施設への地域熱供給を行っています。(地域熱供給事業者:関電エネルギーソリューション)
さらに、電力負荷平準化を図るためビル地下躯体を利用した大規模蓄熱システム、変電所排熱利用などを行うことで、高い省エネルギー性を実現しています。

関電ビルディングにおける未利用エネルギーの活用の仕組み
図:関電ビルディングにおける未利用エネルギーの活用の仕組み