ハイライト 経営理念・ブランドステートメントから始まる 5つのサステナブルストーリーハイライト 経営理念・ブランドステートメントから始まる 5つのサステナブルストーリー

Highlight 4

担当者
が語る
自然と共生する未来へ向けて
「関電不動産開発 くろよんの森」

写真:ハイライト04メインビジュアル

当社では生物多様性の重要性を認識し、その保全のための取組みに注力してきました。分譲マンション「シエリア」では、独自の生物多様性保全方針「シエリアLink Greensプロジェクト」を策定。また、「シエリアツリープロジェクト」では、分譲マンション「シエリア」または分譲戸建て住宅「シエリアガーデン」の契約1件につき苗木1本をPresent Tree(プレゼントツリー)を通じて植樹する取組みを進めてきました。
さらに、新たなプロジェクトとして、長野県大町市に持続可能な「関電不動産開発 くろよんの森」の整備を進めています。この森のありたい姿について、当社担当者の経営管理本部・山野一樹が、プロジェクトにご協力いただいている認定NPO法人環境リレーションズ研究所の鈴木敦子理事長と語り合いました。

  • 写真:認定NPO法人 環境リレーションズ研究所 理事長 鈴木 敦子氏
    認定NPO法人
    環境リレーションズ研究所
    理事長

    鈴木 敦子氏
  • 写真:経営管理本部 経営企画部 企画戦略グループ 山野 一樹
    経営管理本部 経営企画部
    企画戦略グループ

    山野 一樹

「関電不動産開発 くろよんの森」
への期待

左から、鈴木理事長、当社社長 福本、大町市 牛越市長、北アルプス森林組合 割田代表理事組合長
山野

現在、長野県大町市の当社所有地で「関電不動産開発 くろよんの森」プロジェクト(以下、「くろよんの森」)が進行中です。長く未活用のまま雑木林となっていた場所を、環境リレーションズ研究所のご協力をいただきながら「持続可能な未来につながる森」として整備していこうとしています。

鈴木

私たちが20年前から展開する「Present Tree」プロジェクトは、被災林や開発跡地などに樹を植え、その「里親」になった都市部の人たちと地元の人たちが共に森を育てていくというものです。「自社所有地で森づくりを」という御社の構想をお聞きして、私たちのミッションと一致していると感じ、ぜひ協力したいと思いました。ビジョンが明確で、対応が驚くほどスピーディなことにも感銘を受けましたね。森づくりというのは数十年、数百年単位で取り組まなくてはならず、私たちのようなNPOの活動だけでは限界があります。自社の未活用資源を生かして森をつくるという御社の取組みが、ロールモデルとして全国に広がってほしいと期待しているところです。

山野

整備を進めているのは、黒部ダム建設工事の際にその拠点として建設事務所や宿舎などを設置していた場所であり、当社の前身・関電産業が用地取得を担っていました。そうして長くご縁をいただいてきたこの地域で、地元の人たちと一緒に森づくりに取り組むことは、サステナビリティを経営の柱に置く当社の使命だと感じました。大町市との対話を重ねる中で、松くい虫被害や熊被害の抑制、またこの地域の「関係人口」の創出などに森づくりが寄与することを期待されていると伺い、いっそうその思いを強くしています。

  1. 「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指す
鈴木

熊被害の抑制に関していうと、奥山から急に人里になるのではなく、段階的に人の気配が濃くなっていく「グラデーション」をつくり、動物と人間の距離を適切に保つことが重要です。

山野

それは、まさに私たちが今考えているありたい森の姿です。アルペンルートの入り口付近から整備を開始しているのですが、枯れたアカマツなどの古木は伐採しつつ、山桜や山もみじなど現生している広葉樹は可能な限りそのまま生かして、遊歩道や作業道をつくるところから始めていきます。

鈴木

2025年5月に、御社と当研究所、北アルプス森林組合が大町市の立会いのもと「森林整備協定」を締結しましたが、森林組合の方々は志も高く、見識も豊富で、未来のビジョンを一緒に描ける方たちだと感じました。一緒に「わくわくするような森づくり」を目指す、理想的な連携になるのではないかと考えています。

写真:森林整備協定式の様子

森林整備協定式の様子

黒部ダムから
「みどりのダム」へ

山野

私たちにとっても、この「くろよんの森」は、持続可能な企業として進んでいくための象徴的な場所だと考えています。地域活性化の拠点にもなるよう尽力していきたいですね。

鈴木

黒部ダムは、民間企業が必死で大自然を切り拓いて完成させた、戦後復興の象徴的な存在でしたよね。それに対して今回の「くろよんの森」は持続可能な社会に向けて、企業だけではなく地域社会も、そしてお客さまも協働で自然を回復させながら、地域を豊かにしていこうというもの。貯水機能にとどまらず、生物多様性保全や地域活性化も目指した「みどりのダム」として、御社ならではの象徴的な取組みになると思っています。

山野

現地を訪れたときに、地域のレッドリスト(絶滅危惧種)のポスターを見ました。黒部ダムの建設当時にはたくさん生息していたであろう、そうした生き物が戻ってくるような森づくりを目指したいですね。

鈴木

御社のお客さまにも参加いただいて、どのような生き物が生息しているか調査をするのもいいかもしれません。

山野

いいですね。森づくりを通じて、住宅を販売した後もお客さまとつながり、関電不動産開発の「ファン」になっていただけるような仕組みをつくりたいです。

鈴木

植樹に加え、下草刈りなど森の手入れにも、お客さまの体験プログラムや社員研修の一環として参画いただけると素晴らしいと思います。関電不動産開発という会社への愛着、そしてお客さまとの信頼関係も、森の成長と共に着実に育まれていくはずです。

山野

お話を伺って、森づくりは生物多様性を回復するだけでなく、人の意識も育てるものだと実感しました。

鈴木

そうしてお客さまと共に取組みを進めていくことで、御社のこの活動が、地域活性化や企業ロイヤリティ向上に向けた取組みのモデルケースとなっていくことを期待しています。

図:「関電不動産開発 くろよんの森」を通じた5つの貢献

「関電不動産開発 くろよんの森」を通じた5つの貢献

くろよんの森「森林整備協定」締結おめでとうございます

写真:長野県大町市 市長 牛越 徹 氏
長野県大町市 市長
牛越 徹 氏

この度の森林整備協定締結を、心より御慶び申し上げます。この協定は、森林保全活動に御熱心な企業や団体が行う新たな仕組みによる森林づくりです。この活動により地域の森林整備がいっそう進み、次の世代に継承される取組みとなりますことを、心より御期待申し上げます。

長野県大町市 市長
牛越 徹 氏

くろよんの森を訪れた方々にWell-beingを届けます

写真:北アルプス森林組合 代表理事 組合長 割田 俊明 氏
北アルプス森林組合
代表理事 組合長
割田 俊明 氏

世界に誇る北アルプスの雄大な山々、黒部ダムなど、豊かな自然を育む当地域を訪れる多くの方々に、癒し、感動を与え、幸福を体感いただけるよう、「関電不動産開発 くろよんの森」での持続可能な森林・景観づくりに全力で取り組みます。

北アルプス森林組合 代表理事 組合長
割田 俊明 氏

大町市と当社のこれまでの関わり

大町市と当社の関わりは、黒部ダム建設事務所等の設置のための用地取得を1959年に関西電力から引き継いだことに始まります。
ダム竣工から1年後の1964年、国内外の視察団をもてなすための迎賓館として関西電力が建設した「大町クラブハウス」の管理を引き継ぎ、翌1965年にはこれを宿泊施設に転用し、現在の「ANAホリデイ・インリゾートくろよん」の前身である「ホテルくろよん」を開業しました。またその周辺では別荘やゴルフコースも開業し、これら事業は連綿と続く大町市と当社の関わりとなっています。
「関電不動産開発 くろよんの森」の「くろよん」とは、黒部ダムおよび黒部川第四水力発電所の総称を略した当社の商標で、ホテル名にも用い、地域の皆さまから親しみをもって受け入れていただいています。大町市と当社のゆかりをふまえ、かつ今後も広く、多くの方にこの地域の魅力を知っていただけるようにという思いを込め、この名前をつけました。

写真:大町クラブハウス
大町クラブハウス