基本的な考え方・方針など
当社は関西電力グループの一員として、「関西電力グループ ダイバーシティ&インクルージョン推進方針」にのっとり、さまざまな取組みを進めています。
人事指針の一つに「互いを認め、仲間を大切にするひとをつくる。」を掲げ、多様な人材が輝くための組織風土としていくため、さまざまな人事制度改革やダイバーシティマネジメント研修などを通して意識改革を図っていくことで、一人ひとりの「ちがい」を認め合い、互いを尊重できるコミュニティづくりを目指します。
目標と実績
当社では、ESG取組み17項目(2025年度)において抽出した「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「多様な働きかたの推進およびワークライフバランスの向上」に関する目標として、以下を掲げています。
- 労働生産性向上を前提とした多様な働きかたの促進・定着
- 労働時間増加抑制のための施策推進および業務効率化
- 育児休業取得者に対するサポート強化
- 研修などダイバーシティ&インクルージョンへの理解促進施策の実施
さまざまな施策の一例として、2023年10月に勤務制度を変更し、在宅勤務などのテレワークに加え、コアタイムがないスーパーフレックスタイム制の導入の結果、一人ひとりのライフスタイルに合わせた働き方が可能になりました。さらに、育児・介護短時間勤務や時間単位取得も可能なファミリーサポート積立休暇など、仕事とプライベートの両立支援も積極的に行っています。
ダイバーシティの推進
当社ではさまざまな人事制度や風土改革によりダイバーシティの推進を進めています。
ジェンダーダイバーシティの推進
当社では、2016年に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づいた行動計画を策定・公表しています。
当社では、出産・育児に関する休業取得予定の社員とその上司を対象とした「育児休業制度説明会」を開催しています。また、育児休業中の社員と上司の面談を実施し、職場とのつながりを維持する取組みも行っています。これらを通じて、出産・育児に伴う休業への不安を解消し、スムーズな復職の後押しを行っています。また、2024年9月より、「ママパパ交流会」を実施しています。育児の経験や悩み事を共有し、社員同士の交流の輪を拡げることを目的とし、仕事と育児の両立に奮闘するママ・パパ社員を中心に上司・同僚などさまざまな社員の参加を呼び掛けています。このように、社員一人ひとりがキャリアを実現できるよう、可能性を最大限に拡げるためのさまざまな取組みを行っています。
障がい者雇用・活躍推進
当社では、障がいの状況に加え、過去の業務経験やスキルなど個人の特性を踏まえ配属先を決定するなど、社員が自らの能力を最大限活かして働ける職場環境の提供に取り組んでいます。
(障がい者雇用率 2.69% 2025年6月現在)
シニアの活躍推進
雇用制度の再整備を実施し、定年を65歳まで引き上げると共に、61歳到達年度以降の新たなステージとしてジョブステージ制を導入。これまでに培った専門スキルや知識、経験を活かしつつ、次世代への継承を図ります。またジョブステージ制では週4日の勤務を選択できる「ライフバランス勤務制度」も導入しており、シニア人材が活躍できる職場環境づくりを進めています。
社内教育・啓発活動
毎年1回以上、役員を含む全管理職を対象に、ハラスメント防止研修を実施するなど、多様性を尊重する組織風土の醸成に取り組んでいます。
多様なワークスタイルの実現に向けた取組み
従業員自らが「何が最適かを考え、自ら行動する」ことを目指し、仕事内容に合わせて働く時間や場所を選択する「ABW(Activity Based Working)」を採用しています。
具体的には、従業員自身が始業・終業時刻を一定の範囲で自主的に決定できるスーパーフレックスや、自宅やコワーキングスペースの活用など、オフィス以外での勤務を可能とするテレワークを導入しています。これらにより当社では、育児や介護に限らず、さまざまなライフステージに合わせた多様な働き方を実現しています。
その他にも自律的な人材を育成することを目的としビジネスカジュアルを採用するなど、一人ひとりが自分自身で働き方をデザインできる職場づくりに取り組んでいます。
Activity Based Working
オランダのワークスタイル変革コンサルティング企業であるVeldhoen + Companyが提唱した職場の在り方です。
従業員は仕事内容に応じて働く場所や時間を自由に選ぶことができます。個人の働きやすさを尊重しつつ生産性を高め、企業のビジネス活動に寄与することを目的としています。
Activity Based Workingを取り入れたオフィス空間
| 制度および施策 | 概要 |
|---|---|
| スーパーフレックス | 従業員自身が始業・終業時刻を一定の範囲で自主的に決定できる制度。ライフスタイルに合わせた働き方を選択できるようにすることで、それぞれのワークライフバランスを実現しながら働くことが可能。 (2023年導入) |
| テレワーク | テレワーク(在宅勤務・モバイルワーク)を活用し、働く場所を選択できる制度。自宅やコワーキングスペースの活用など、ビジネスシーンに応じた働き方の選択が可能。 (2020年導入) |
| ビジネスカジュアル | 自律的な人材を育成することを目的に、それぞれがビジネスシーンに合わせた服装を選択可能。 (2020年導入) |
| オフィス内フリードリンク制度(mag café) | オフィスドリンクを設け、従業員が自由に飲用しながらコミュニケーションを図る機会を作ることを目的として実施。 (2023年導入) |
ワークライフバランスの推進
従業員が安心して働き、その能力を発揮するためには「ワークライフバランス」を考慮した取組みが必要です。当社では、年次有給休暇の取得推進や育児・介護関連施策、カフェテリアプラン、ファミリーサポート積立休暇(時間単位取得可)、1週間以上の連続休暇の取得推進、リフレッシュ休暇など、さまざまな取組みを行っています。
このような制度や施策を通じて、ファミリーサポート、地域活動、自己啓発などに必要な時間を確保することで、仕事とプライベートの両立を支援しています。
| 制度および施策 | 概要 | |
|---|---|---|
| 年次有給休暇の取得推進 | 年次有給休暇取得推進に向け、以下の目標値を設定。 全社目標:取得率90%以上 |
|
| ファミリーサポート積立休暇(時間単位取得可) | 配偶者および2親等以内の親族の介護、子の育児および看護、医師等の指導による妊産婦の通院、不妊治療等のため休務する場合に取得できる休暇。 | |
| 1週間以上の連続休暇の取得推進 | ワークライフバランス推進のため、夏期休暇3日に併せ、年次有給休暇を取得することにより、1週間以上の連続休暇取得を推進。 | |
| リフレッシュ休暇 | 勤続5年以上で、満30歳、40歳、50歳到達後1年以内に各3日取得可能。 | |
| その他福利厚生 | カフェテリアプラン | 従業員一人ひとりに一定のポイントを付与し、その範囲内で、あらかじめ用意された育児や介護、またはレジャーや自己啓発などに関する多様なメニューを、個々のニーズに併せて自由に選択し利用できる制度。 |
| 保育所マッチングサービス | 各地の企業主導型保育所の空き情報が、独自のマッチングシステムにより検索ができ入園できるサービス。希望エリアに提携園がない場合は調査協力を依頼することも可能。 | |
| スポーツクラブ利用支援 | スポーツクラブや提携施設を法人契約特別料金(半額程度)で利用可能。月会員や都度会員が選択でき、自身のライフスタイルに合わせた使い方が可能。 | |
DX推進による業務効率化
従業員一人ひとりが自分らしいライフスタイルを大切にしながら最大限の力を発揮できる環境を整えることが、従業員の成長やお客さまへのより良い価値提供につながると考えています。それらの実現に向けて、RPAやノーコードツールといった市民開発ツールや生成AIを導入し、自ら業務効率化に取り組める環境を整備しています。また、これらのツールの活用を促進するための支援、効率化を担う人材の育成にも力を入れています。こうした取組みを通じて、一人ひとりが自分らしい働き方を実現するとともに、お客さまに対する価値提供をさらに向上させていきます。
市民開発ツール(ノーコードツール・RPA)の導入
市民開発とは、専門的なプログラミング知識を持たない非IT部門の従業員が、主にノーコードを活用してアプリケーションやロボットを開発することを指します。
反復的なパソコン作業を自動化するRPA、Excelや紙が主体の業務をアプリケーション化しデータの利活用へつなげるノーコードツール、これらの市民開発ツールを社内展開するとともに、開発者が相談・連携できるコミュニティの開設等支援を行い、従業員自らが主体的に業務効率化に取り組める環境の整備を進めています。
生成AIの導入
生成AIの活用により、レポートや議事録の作成、文章校正といった汎用的な社内業務の効率化だけではなく、質の高いアイデア創出や、ナレッジ共有のプラットフォームとして従業員の業務スキルのボトムアップや平準化にもつなげることができます。当社では、生成AIを安全に利用できる環境を構築しつつ、ワークショップ等の実施による発展的な活用の促進、社内で汎用的に利用できる生成AI技術の継続的な開発を通じて、多様なバックグラウンドや働き方を持つ人々が互いに支えながら、それぞれが活躍できる職場づくりを目指します。
